最先端技術で食品を包むフジトク。技術開発に挑む背景には、食品の安全性向上と地球環境のため、さらには製造に携わる社員を 大切にしたいという思いがあります。（右下）社内にはeゲーム専用に設計したゲーミングルームも完備

　お菓子や、調味料、乾物など、食品の入ったパッケージ。実はハイテク技術の結晶であるのことをご存じだろうか。
　封を切る瞬間まで香りや味を逃さずおいしい状態を保つ密閉性は、食品ごとに特性の異なるフィルムを何層にも積層（ラミネート）した構造によるものだ。
　この食品パッケージを開発・製造しているのが、富士特殊紙業株式会社、通称フジトクである。創業は1950年。お菓子の包み紙製造から始まり、包装材料を進化させ食品パッケージ専業メーカーとして成長してきた。
「水や電気といった社会インフラ同様、食の安全安心を担う食品パッケージは今や流通に欠かせないものとなりました。いつでもおいしい食事ができる暮らしを支えるため、商品ごとに最適なパッケージを開発しています」と、管理本部総務部総務課の松原希一課長は言う。
　フジトクは、デザイン、印刷、製造などの工程を全て一貫して受注製造しているのが特徴だ。さらにパッケージの高品質化を目指す独自技術は、世界でも高い評価を受け、数々の特許を持つ。例えば水性グラビア印刷である。
「つい手に取りたくなるパッケージの印刷は重要です。これまでプラスチックフィルムへの印刷は、有機溶剤による油性インキが主流でしたが、独特の臭気が作業の課題でした。そこでフジトクは有機溶剤を含まない水性インキを世界で初めて開発。水性グラビア印刷を成功させ、ＣＯ₂削減と作業環境の改善という、革新的な印刷技術を確立しました」

専門分野のスペシャリストが
快適に働ける環境づくりを目指す

　今後フジトクが求める職種は2つある。1つが機械オペレーター部門だ。
　大規模工場ではプラスチックフィルムに高速印刷がされるが、印刷の色味は湿度や温度によって影響を受ける。そのため同色に仕上げる微調整を繰り返すことによって、機械を知り尽くすスペシャリストが育っていく。「 今日より明日、明日より明後日と、少しでも進化している自分を楽しめるような人にとっては最高の職場です」と松原課長は力説する。
　もう1つは総務部門である。「当社の総務は、庶務から給与計算まで幅広い領域を担当し、会社のすべてを把握することが求められます。社員が各々の専門分野に注力し気持ちよく働けるよう、積極的に社内の風通しを良くしていく。そんな全方位型に仕事を仕掛ける姿勢であってほしいと思います」
　フジトクでは野球やフットサル、マラソン、サイクリングなどのクラブ活動も盛んだ。寮や保育所といった設備が充実し、定年は66歳と長い。企業主導型確定拠出年金といった特徴的な福利厚生もある。
　自分の成長を感じながら長く働くメリットが大きい会社である。