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その1 業界のしくみ
最大手のJTBグループ以下各社がひしめき合う旅行業界

 旅行会社は、旅行業法の定めにより、主催・販売の状態によって第1種〜3種の旅行業者代理店業のいずれかに登録しており、現在はそのすべてを含めると1万社超が参入する業界となっている。近年の大手取扱額の販売内訳は、国内旅行6割、海外旅行4割の構成が中心。旅行は、性状や自然災害、疾病の流行などによって需要が左右される業界でもあり、近年は長引く景気低迷が各社の業績を圧迫している。

 国内の旅行代理店は最大手のJTBグループが取扱高で他社を圧倒。2位以下は企画旅行が好調な近畿日本ツーリスト、日本最初の旅行会社である日本旅行、阪急阪神交通社ホールディングス全額出資子会社の阪急交通社、海外旅行に強いエイチ・アイ・エスなどがひしめき合う。

 苦戦する旅行業界でも好調なのがネット販売だ。急成長してきた楽天トラベルを筆頭に今後も業界の勢力図に大きな影響をもたらしそうだ。

外資系ホテルの進出もひと段落

 近年ホテル業界では外資系ホテルが東京に進出し、国内勢との競争が激しくなっていたが、その動きもひと段落している。今後は各社独自のサービスをいかに提供するかなど、生き残りをかけた競争が行われるだろう。

 国内高級ホテルではニューオータニ、ホテルオークラ、帝国ホテル、ロイヤルホテルなどがある。鉄道系ではプリンスホテル、JR東日本ホテルズ、東急ホテルズ、阪急阪神第一ホテルグループ、都ホテルズ&リゾーツ、京王プラザホテルなど。航空系にはJALホテルズ、英のインターコンチネンタルホテルズグループと提携したIHG・ANA・ホテルズグループジャパンなど。

 不動産系には三井不動産のホテル施設である三井ガーデンホテルズ、三菱地所グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツなど。独立系にはリゾート会員権ホテルシェアでトップクラスのリゾートトラスト、ワシントンホテルや小涌園などを運営する藤田観光など。ビジネス系では東横イン、ルートインジャパン、ワシントンホテルなどが好調だ。

 外資系ではヒルトン・ワールドワイド(米)、インターコンチネンタルホテルズグループPLC(英)、フォーシーズンズホテル&リゾート(加)、ハイアットホテルズ&リゾーツ(米)、マリオットインターナショナル(米)、ザ・リッツ・カールトン・ホテル(米)、ザ・ペニンシュラ・ホテルズ(中)など。

その2 最新トピックス
プラス要素多く、さらなる需要の拡大へ

 海外旅行には、燃油サーチャージの再値上げといった不安材料が存在するものの、羽田空港国際線新旅客ターミナルの供用開始による海外定期便の増加や、格安航空会社の参入などが追い風となり、需要が後押しされる見込みである。

 一方で、国内旅行では、自然やエコをキーワードとした登山・パワースポット巡りが人気を集めていることから、週末を利用した近距離旅行のニーズが生まれそうだ。また、高速道路料金休日割引の継続や、東北・九州各新幹線の延伸も好材料となり、安・近・短思考であった消費者が、徐々に遠距離旅行へシフトする可能性もある。

インバウンド需要が拡大も、外交問題が水を差す

 10年のホテル需要回復は、訪日外国人観光客需要(インバウンド)の増加によるところが大きい。リーマン・ショック後の反動増に加えて、10年7月からは中国人観光客向け訪日ビザの発給要件が緩和されたこともあり、日本政府観光局によると、10年1〜9月の訪日外国人客数は前年同期比33.6%増の660万人となっていた。ホテル・旅館各社は語学やホスピタリティなど、インバウンドの営業強化を図っている。

 しかし当初、年間1,000万人を突破すると見られていた訪日外国人客数は、1年を通して続いた円高や、尖閣諸島に関する一連の騒動が外交問題化したことによって、同年10月から増加にブレーキがかかり、10年の訪日外国人客数は前年比26.8%増の861万人にとどまった。社員旅行などの大規模受注のキャンセルを余儀なくされたホテルや観光施設も多い。

その3 採用の傾向
ライセンス取得者を優遇

 旅行会社・ホテルともにライセンス取得者の採用に力を入れている。旅行会社では、最も評価の高い一般旅行業務取扱主任者をはじめ、国内旅行業務取扱主任者、AXESS実用検定合格者(国内外の航空券予約・発券に関する業務のエキスパート)などが有利。

 ホテル業界では、ホテルビジネス実務検定やHRS(料飲接遇サービス技能審査)合格者などのライセンス取得者など。また、旅行会社・ホテルともに必要不可欠なのが語学力。職種によっては、英検・観光英語検定なら2級以上、TOEICなら750点以上が望まれる。

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