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食品・飲料

その1 業界のしくみ
需要は人口と比例して減少、国内再編や海外進出進む

 食品業界は、乳製品、水産・冷凍食品、小麦関連、製菓・製糖、食肉加工など、より私たちの生活に密着している分野。食品に関連する分野は幅広いが、人口減少・少子高齢化により国内市場は縮小基調にある。また節約志向を受けプライベートブランドが台頭、対抗措置として低価格競争が激化し、各社の収益を押し下げている。大手中心に国内再編や海外展開を進め収益改善を図る。

食品業界の各分野

 乳業分野では、業界大手企業の経営統合が進む。業界1位が明治ホールディングスの乳業部門企業である明治乳業。2位に森永乳業、3位に雪印乳業と日本ミルクコミュニティが経営統合した雪印メグミルクが続く。

 水産分野では、魚介類の販売よりも、冷凍・レトルト食品の製造・販売へのシフトを強めている。また海外企業との資本提携を進め海外販売網の強化を図る。最大手はマルハニチロホールディングス。その他に日本水産、冷凍食品首位のニチレイなど。10年1月に加ト吉から社名変更したテーブルマークは、ブランドの再構築で躍進を狙う。

 製菓・パン分野の売上高トップは山崎製パン。明治製菓、ロッテ、江崎グリコ、森永製菓がこれに続く。輸入小麦の政府売り渡し価格が10年10月に2年ぶりに引き上げられた。収益確保を目指すため、生産ラインや商品・生産拠点の見直しなどに取り組む企業が目立つ。

 製粉・パスタ製造分野では、日清製粉グループ本社がトップ。日本製粉、昭和産業がそれに続く。

 調味料分野は、味の素、キユーピー、日清オイリオグループ、キッコーマン、ハウス食品、カゴメが主要大手。主力商品は異なっており、各社が自社製品のさらなる改良を続けている。国内市場の飽和感が強まっておりアジア新興国中心に海外進出が進む。キユーピーは10年からマレーシア工場を稼働、味の素も13年までにタイでの新工場設立を発表した。

飲料業界の各分野の動き

 飲料業界は、酒類と清涼飲料に分けられる。

 酒類分野では、アサヒビールが国内ビール系飲料のシェアトップに2年ぶりに返り咲いた。それをキリンホールディングスが僅差で追う。サントリーホールディングス、サッポロホールディングスもそれぞれシェアアップを果たした。キリンとサントリーの経営統合が破談。再編は落ち着いたが、国内の酒類出荷量の減少傾向が続く中、各社海外企業との資本提携などで独自に拡大路線を模索する。

その2 最新トピックス
小麦価格の高騰

 10年10月に平均1%引き上げられた輸入小麦の政府売り渡し価格だが、11年4月からさらに平均18%引き上げられた。10年9月〜11年2月にかけて買い付けた米国産と豪州産の小麦の平均価格から算定されたもので、ロシアの干ばつによる海外への小麦輸出規制やオーストラリアの洪水被害などによる世界的な小麦価格の高騰が反映された。日清製粉は6月20日出荷分から業務用小麦価格の値上げを行い、他メーカーも追随する予定。食品メーカーや外食チェーンが原料価格を転嫁することで、パンや麺類、菓子などの値上げにつながる可能性がある。

 農水省はそのほかにも新興国の経済発展などで、小麦やコメなど穀物の需給(ひっぱく)が続き、20年には物価変動の影響を入れない名目で穀物価格は3割上がるとみている。低価格志向が加速する消費者ニーズとどうバランスをとっていくかが今後の鍵を握る。

健康志向を反映したゼロ系飲料がヒット

 消費者の健康志向の高まりで、カロリーや糖分を控えた商品が大ヒット。酒類では、糖質ゼロの発泡酒「アサヒSTYLE FREE」(アサヒビール)、「キリンゼロ」(キリンビール)、などが好調だ。清涼飲料でも「コカ・コーラゼロ」(コカ・コーラ)を火付け役に、「ワンダゼロマックスプレミアム」(アサヒ飲料)、「大人のキリンレモン」(キリンビバレッジ)など様々なジャンルで商品が投入されている。最近は“ゼロ”であるだけでなく、何らかの機能性を備えていることを売りにしているものが多い。

ペットボトルの軽量化、統一化

 エコロジーの観点から清涼飲料のマーケットでも、リサイクルの視点でのモノづくりが重要視され始めている。各社は資源節約やコスト削減を目指し、ペットボトルの軽量化に取り組んでいる。キリンビバレッジは10年1月、国産最軽量のペットボトル「ペコロジーボトル」の採用を発表、サントリーグループは10年3月、新たに採用した新構造の軽量ペットボトル「P-ecot(ペコッと)ボトル」を投入した。コカ・コーラグループも10年4月「い・ろ・は・す」に植物由来の素材を使用したPETボトル「プラントボトル」の導入を開始した。

その3 採用の傾向
生涯を通した賃金は安定

 激しいシェア争いが続くビール業界だが、大手4社の寡占状態にあるため、安定した業界という側面を持つ。また、転職率や早期離職者などが他の業界と比較して少ない業界であり、終身雇用を望む人にとっては希望に沿う可能性が高い業界だと言える。そのため志望者が多い割に採用数が少ないため、より丁寧に企業研究し就職活動に臨むことが賢明と思われる。

大手以外の企業も優良

 知名度のある大手企業を狙いがちになるが、中堅・中小企業で各分野の優良企業が数多くある。新聞やニュースなどをこまめにチェックするのはもちろん、生活に身近な業界だけに、スーパー・コンビニ等の売り場も企業研究に最適。特に、新商品・占有面積の広い商品・製造会社等もチェックしてみよう。

独自の市場調査は有利

 企業によっては、文系寄りの採用傾向もある。もちろん、食品衛生法に関する知識があると有利だが、マーケティングに関する知識への評価も高いため、独自の視点で食品に対する市場調査をまとめておくのも良い。希望職種に関わらず、視野が広いと有利な業界。

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